子どもは親の思いもよらない物事に興味を持つから面白い。
恐竜や鉄道はよくあるが、今までに相撲の行司、歌舞伎、神楽舞にハマった子どもたちに出会いました。
11歳になる女の子がお城にハマっているのは知っていたが、今日はお経を読む彼女を撮るとは思ってもいなかった。
蛇腹式の経本は漢字だらけだがふりがなが振ってある。
それを彼女はお坊さんの読経のように一生懸命に音読する。
親は思わず笑ってしまうがこれはエンタメではない。笑ってはいけない。
意味がわからなくてもいいのだ。お経を唱えてさえいれば浄土に行ける。
赤ちゃんだった子どもの成長も紆余曲折というかいろいろあるのは当然で、それを他人であるフォトグラファーが知るわけもないのだが、想像するかしないかで写真は大きく変わってくる、と言ったら言い過ぎだろうか。
11歳の彼女は、大人たちの前で無邪気な笑顔を見せることはない。
その代わり照れながら両親祖父母に感謝の言葉を口にする。
なんでこんなに立派に成長してしまったんだろう。
無邪気な笑顔で一生懸命に歩いていた頃の彼女はどこへ行ってしまったのだろう。
大人のノスタルジーには与しない。
彼女はすでに自分の人生を歩み始めている。
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