季節はゆっくり夏になろうとしている。
境内の緑のモミジに薄い紅色の小さな葉っぱが混じると見えるのは、種を遠くに飛ばすための羽である。
朱色の着物を着た三歳の女の子は人見知りしない。遊びに誘うとすぐに馴染む。
ヘアセットのときも美容師さんに行儀が良いと褒められたとママがパパに話している。
そんな彼女だからイヤイヤもなく撮影もすんなり進む。
ママの実家である新潟(たしか上越だったような)からおじいちゃんとおばあちゃんも来て賑やかである。
かわいい孫にスマホが向けられる。笑い声が誰もいない境内に広がる。七五三は家族にとって楽しいイベントである。
撮影終わって一行は食事に出かけるようだ。
ママが娘を着替えさせようとする前に、彼女は自分で着物をどんどん脱ぎだして、あっという間に下着姿になっていて、これにはママがびっくりする。
辛抱強く我慢していたのかなあ。
大人しそうに見える彼女は雪国の女性の気質を受け継いでいるのかもしれない。
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