二歳男の子の誕生日記念。
新築したばかりの真新しい家でバースデーケーキを作る。
といっても既製品のスポンジに五歳のお姉ちゃんがクリームを塗ってイチゴを乗せるだけだが、「じぶんでつくったケーキおいしい!」と主役の弟くんを差し置いてぱくぱく食べる。
ケーキ屋さんで買ってきたものよりおいしく感じられるなら、それが一番最高だ。
姉弟がケーキを食べる様子を、僕と一緒にパパとママもスマホで写真を撮る。
たぶん僕が撮る写真よりも、自分でシャッターボタンを押して撮る写真のほうが「いい写真」になる思う。お姉ちゃんが作ったケーキと同じ理屈だ。
そしていつか何年か経ってあのとき何してたっけ、とスマホで過去の写真を探して見つけたときに今日の記憶がよみがえる。
それはきっと僕の写真ではなく、自分でスマホで撮った写真であろう。
僕が撮る意味がなかったとも言えるが、たぶんそんな気がする。
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