朝8時だというのに、神宮外苑の銀杏並木の歩道には人がそぞろ歩いて、そこかしこで写真を撮っている。
制服を着た女子高生グループが何組もいて、友達同士で写真を撮っているのには驚く。君たち学校に行かなくていいのか。
二十歳の彼女がここで成人記念の写真を撮りたかったのは、「映える」場所だと知っていたから。
百聞は一見にしかず。初めて見た秋の銀杏並木は彼女の思い出にどう残っただろうか。
高校生の妹と二人でスマホ自撮りする彼女にはまだあどけなさが残る。
やりたいことは旅行だそうで、それは今のうちにたくさんやったほうがいい。二十歳には青春を楽しむ権利と何より時間がある。
どんな大人になりたいかと問うたら、(当たり前だが)そんなことは考えたことがないらしく、しばらく逡巡したあとに照れ隠しのように笑って「かっこいい大人」と答えた。それで十分です。
撮影のために朝4時起きで、「帰ったら寝たい」と言うくらい眠かったのに、撮影をがんばってくれて感謝である。
1月の成人式の日は友達同士で写真を撮りあったりしてはしゃぐのだろう。
今日の前撮りよりもそれが本当の成人の思い出。楽しさに勝るものはない。
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