山の天気は変わりやすく、遠くからさざめきのような音が聞こえてきたと気づいいたら、次の瞬間、大粒の雨があたり一面に叩きつけられる。
キャンプのテントを組み立てたばかりのカップルは、あわててその中に避難する。今日の撮影は終わりだ。
来月に結婚式を控える二人の写真を撮る。
午前中に尾道で、それから1時間半ほどかけて庄原市にある備北丘陵公園まで来た。
二人ともアウトドア好きらしい。
彼女は長野での高校時代に登山部にいたというし、彼は二十代の頃にスキー場でひと冬過ごしていたという。趣味が合うのはいいことだ。
彼はなかなか異色の経歴の持ち主で、二十代はバックパックで海外を旅したりしていたそうだ。
今はサラリーマンになっているが、どうもそれが性に合わぬらしい。
脱サラしてフリーランス歴16年のフォトグラファーが「辞めてもなんとかなりますよ」と無責任に言うと、彼もうなずくように「そう、なんとかなるんだよ」と言う。
一緒に暮らす彼女にしてみれば大ごとだろうけど、そういう人なのだと、なかば納得して(あきらめて)いるような気もする。
この先の二人の人生が幸せなものでありますようにと祈らずにはいられない。
大雨で強制終了となった撮影だが、テントの前でコーヒーを淹れて飲む場面まで撮れてよかった。
結婚式が終わって落ち着いたら、またキャンプに来てゆっくり時間を過ごしてほしいと思う。
それにしても、今日はあっっっつかったなあ!
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