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七五三の写真(東京都日野市)


 

 

2020年10月7


 

境内のそこかしこに秋の花が咲いている。春ような華やかさではなく、やや控えめにその色をアピールしている。 

 

三歳の女の子はよく笑うのだが、やはり見知らぬフォトグラファーには緊張するらしく、おとなしい。たぶんふだんはもっとお転婆だろうと思う。

 

草履の鼻緒が痛いという彼女にママが「もうちょっとだからがまんして」と言うけど、撮影と祈祷も含めたらあと2時間くらいかかる。

 

七五三は子どもにとっては慣れないことをさせられるから嫌なものである。ご機嫌な顔の写真を撮りたかったら、子どもを楽しませるしかない。

  


 

今日はパパとママのご両親が揃って、久しぶりに大人が6人いる七五三であった。

 

今年はコロナウイルスの影響で、おじいちゃんおばあちゃんを呼ばない家族も多いだろう。せっかくの子どものハレの日くらいは楽しんでもよいのではなかろうか。

 

撮影が終わると、ここぞとばかりにおじいちゃんとおばあちゃんがスマホで孫の写真を撮る。背景とか写真の構図なんかどうでもよい。僕の写真なんかよりも、自分で撮った写真のほうが何倍もいい写真である。出張撮影のフォトグラファーはそれを超えられない。

 

 

南から近づく台風を気にして「雨降らなくてよかったね」とおじいちゃんがママに言う。今日は文字通りのハレの日であった。




 

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