2020年8月26日 広島県福山市
お客さんから指定された撮影時間は朝8時。その2分前に玄関のチャイムを鳴らした。
が、ドアの向こうはシンとして応答がない。
部屋番号を確認する。合ってる。電話してみる。しばらく呼び出し音が鳴って、低い女性の声が聞こえてきた。
撮影で伺ったのですが、と伝えると、彼女は「ああ」と何かを思い出したように「今、開けますから」と言う。
なんだいるじゃないか。ようやくドアが開いてすっぴんの女性が顔を出した「寝てたのよー」
えええっと気持ちがのけぞる。
「子どもが寝なくって、6時っくらいにようやく寝ついたのね」彼女は続けた。家の中にお邪魔すると、同様に寝起きのママがいた。玄関に出てきた女性はママの母上であった。このシチュエーションはさすがに初めてだ。
しかし、赤ちゃんが寝なくて寝不足なのは気の毒である。1時間後にまた来ましょうかと提案するも「今撮ってください」ときっぱり言われて、ニューボーンフォトの準備を始める。
ようやく寝たばかりの赤ちゃんも衣装を着替えたりするうちに目を覚ます。そうするうちに夜勤明けのパパが帰ってきた。ああ、なるほど。
パパは疲れも見せずに嬉しそうに赤ちゃんを抱っこし、自分のカメラやスマホで写真を撮る。その様子がまことに微笑ましくて、そのまま残しておきたいくらい。
家族写真を撮りましょうかと言うと、メイクが完璧でないママが断固拒否するので、父子の写真のみ。これはこれでいいのかも。
赤ちゃんの写真だけなのに、印象深い家族の撮影であった。またいつか撮ってみたいなあ。
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