2年前に結婚式を撮影した夫婦に子どもが生まれて、写真を撮って欲しいという。
ありがとうございます。こういうのは本当に嬉しいです。
ママは相当気合が入っていたらしい。撮影用にあてがわれた部屋の荷物はすべてリビングに積み上げられていた。
事前の質問で、6ヶ月の赤ちゃんを撮るのに必要なスペースは畳一畳ぶんでいいとお答えしていたのだけど、やっぱり不安だったのだろう。いやほんとに、ハイハイがまだできない赤ちゃんの行動範囲は畳一畳しかないのです。
ともあれ、赤ちゃんは概ねご機嫌で、撮影は順調に終わった。
誰しもそうだと思うけど、初めての子どもを育てるのはそれはそれはたいへんな苦労だ。きっとママもほぼ毎日が手探り状態なのだろうなあと思う。
僕には子どもがいないから、その苦労を想像するしかできない。アドバイスもできない。ただ心の中でがんばってねと思うだけだ。
だからこんな僕が子どもの写真を撮ってよいのだろうか、と思うこともある。思ってるだけではどうしようもないから撮るけど。
たまに「子どもの扱いが上手いですね」と言われると、申し訳ない気持ちになる。こんなのは実際の子どものいる日常生活ではたぶん何の役にも立ちませんよ、と言いたいけど、ありがとうございますと言う。
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